板橋パーソナルジム TIMELESS BODYの玉手です!
「ストレチしても中々柔らかくならない」「筋肉が固い」「力が抜けない」「同じところばかり疲れる」「気付いたら痛いところがある」
そういった悩みを持つ方は多く、一般的には“筋肉が悪い”と考えがちです。
通常は「筋肉を使い過ぎた」「良くない姿勢をし過ぎた」などと疑いがちです。
スポーツをやってる方や過度のデスクワークからの起因においては、
それも間違ってはいないこともあります。
しかし、実際には、筋肉そのものよりも「脳の感覚処理のズレ」や「運動・動作のリズム制御の乱れ」が原因になっているケースが非常に多くあります。
筋緊張は、脳が「このままでは危ない」と判断したときに起こる“防御反応”です。
つまり、緊張している筋肉を無理に緩める前に、「なぜその筋肉が頑張らなければならなかったのか?」という視点を持つことが非常に重要なのです。
今回は、脳と身体のつながりに注目しながら、
セントラルパターンジェネレータ(CPG)、
脳幹系(延髄・橋・赤核)、
前庭系(卵形囊・球形囊・半規管)
などの役割を通じて、「筋肉が緊張する理由」を紐解いていきます。
【1. セントラルパターンジェネレータ(CPG)とは?】
CPGは、私たちが歩いたり走ったりするだけでなく、咀嚼や呼吸など無意識に使っている「リズム運動の司令塔」のようなものです。
脊髄や脳幹に存在するこの神経回路は、視覚や前庭感覚、皮膚や関節の情報を受けながら、左右交互の動きを自動生成してくれます。
例えば、歩くときに右足→左足→右足…と自然に出せるのは、CPGが正常に働いているからです。
これが乱れると「動きのリズム」が崩れ、ぎこちない動きや左右差、力みが生じます。
CPGのリズムがうまくいかないと、身体は「不安定さ」を感じ、それを補おうとして筋肉が過剰に活動し始めます。
特に体幹、股関節、肩周りなどの抗重力筋は、転倒を防ぐために無意識で緊張状態に置かれます。
「スクワットがぎこちない」「階段を降りるときにバランスを崩す」などのケースは、筋力やフォーム以前に、CPGのリズムが崩れている可能性を疑うことも大切です。
【延髄・橋の網様体脊髄路の役割と筋緊張】
CPGと並んで重要なのが「延髄網様体(MRST)」と「橋網様体(PRST)」という脳幹の姿勢制御経路です。
延髄網様体は“筋トーンを抑制する”働きを持ち、副交感神経的でリラックスに傾きます。
ここが働かないと、リラックスできずに筋肉がずっと緊張したままになります。
一方、橋網様体は“抗重力筋を促通する”経路で、立つ・歩く・姿勢を保つために必要な出力を生み出します。
これが過剰になると、逆に姿勢が硬直し「猫背」「反り腰」などの姿勢不良を生むこともあります。
この両者のバランスが崩れると、筋肉のON/OFFがうまくいかなくなり、必要のないところにまで力が入ってしまうのです。
【4. 赤核脊髄路:上肢の緊張や不器用さとの関係】
赤核脊髄路(rubrospinal tract)は主に上肢の屈筋に働きかけ、道具を使う動作や繊細な動きに関与します。
赤核の働きが低下すると、上肢のバランスが悪くなり、「肩がすくむ」「腕がぎこちない」「片手ばかり使う」などの非対称性が出てきます。
このときも身体はバランスを取ろうと、肩甲帯や頸部の筋肉を緊張させるため、慢性的な肩こり・首の疲れとして現れます。
球形囊の機能低下と筋緊張
【球形囊:縦揺れや重力の変化】
耳の前庭器官(内耳)の一部で、上下の加速度(縦揺れ)や重力変化を感じ取る役割があります。
歩行やランニング、階段昇降などでの上下動において、目と姿勢の安定をサポートします。
球形囊が正しく働かないと、上下の動揺に対して視覚と身体の情報統合がうまくいかない。
結果として、姿勢保持のために頸部や体幹部、下肢筋に過剰な緊張が入りやすくなる。
特に「視覚のブレ」を感じやすくなるため、眼球周囲や後頭下筋群、僧帽筋上部などに防御的な筋緊張が出る傾向。
【卵形嚢:水平方向や加速度を検知】
水平方向の加速度や傾きを感知(横方向への動きや、頭の傾き)
横揺れに対する情報処理が不十分だと、
地面が「斜め」に感じたり、片足立ちでぐらつきを感じます。
脳が「ズレ」を感じて、体幹・股関節周囲の筋緊張が上昇します。
また、回旋動作時や歩行時の肩の引きつり・体軸のぶれとして現れます。
【⠀三半規管(さんはんきかん):XYZ軸の平衡感覚】
内耳の中にある平衡感覚の器官で、以下の3つの管から構成されています。
・前半規管(前向きの回転)
・後半規管(後ろ向きの回転)
・水平半規管(左右の回転)
この3つがそれぞれX軸・Y軸・Z軸の動きを検知し、頭の回転や加速度の変化を正確に感知しています。
三半規管は、私たちの「目線の安定」「姿勢保持」「動きの方向性」に深く関わっています。
三半規管がうまく働くと…
・頭をすばやく回しても目がブレない(視線が安定)
・方向転換がスムーズ
・歩行中や運動中にバランスが取りやすい
・周囲の空間を正しく認識できる
つまり、「頭と身体と目線」が三位一体で協調しやすくなります。
三半規管からの情報がうまく処理できないと、脳は「自分の動きがどの方向に行っているのか」が曖昧になります。
そうなると、常に緊張状態で全身が緊張しやすくなります。
【感覚のズレが脳の出力を狂わせる】
では、なぜこれらの神経経路が正常に働かなくなるのでしょうか?
それは「入力情報(感覚)」にズレがあるからです。
CPGも網様体も赤核も、すべて「目」「耳(前庭)」「皮膚・関節の感覚」などのセンサーからの情報をもとに活動を調整しています。
たとえば:
・球形囊の機能が落ちる → 縦揺れの情報が曖昧 → 歩行時に上下ブレ → 体幹が固まる
・卵形囊の感度が悪い → 横揺れに不安感 → 腰回りの回旋動作がぎこちなくなる
・三半規管が過敏/鈍感 → 頭の回旋が不自然 → 頸部や僧帽筋上部に緊張が集まる
・左右視力差が大きい → 空間認知がズレる → 姿勢が非対称 → 一部筋緊張が慢性化
このように、“感覚の誤差”が“運動の誤作動”を生み、無意識のうちに身体が過剰に力を入れている状態が「筋緊張」の正体なのです。
【トレーニングの方向性:整えてから鍛える】
このようなケースに対して、「とにかく筋トレ」では逆効果になることもあります。
まず必要なのは、「感覚を整えること」と「リズムを取り戻すこと」です。
効果的な再教育アプローチとしては:
・左右交互のクロス運動(交差スクワットなど)
・足裏の感覚入力(バランスパッド、裸足歩行)
・目線を用いた運動(目で追いながらのステップ)
・メトロノームに合わせた反復運動(音に合わせた動作)
・前庭刺激を含むトレーニング(上下・左右への揺れ刺激)
これらを組み合わせて、感覚 → 脳の出力 → 筋肉の反応 という一連のルートを“再学習”していくことが、動作のスムーズさを取り戻すカギになります。
まとめ…
筋肉の緊張は、脳と身体の連携の中で生まれ、多くの方に起きていることがおわかりいただけたかと思います。
ただしその背景には、「感覚のズレ」や「脳のリズムの乱れ」という見えないエラーが隠れていることがあります。
そのエラーに気づき、整えていくことで、筋肉の緊張は自然と解け、動きは軽く、滑らかになります。
TIMELESS BODYでは、こうした神経機能と感覚統合の視点から、クライアント一人ひとりの身体の「感じ方」や「使い方」を見直し、根本から改善するサポートを行っています。
「何をしても体が硬い」「トレーニングしているのに動きが悪い」と感じている方は、まずは“筋肉”ではなく“感覚”から整えてみませんか?
愛らしい&健康で自分の身体をもっと好きになれるように
Loveliness&Wellnessな身体を一緒に作っていきましょう!
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