腰痛

痛みは誰のもの?

板橋パーソナルジムTIMELESS BODYの玉手です。

今回も脳に関連付けたお話です。

そして、今回は「痛み」についてとなります。

痛みと言っても主に骨折や打撲などの外傷による痛みでなく、

機能不全や慢性痛などの組織の損傷以外の痛みについてです。

腰痛や肩や首の痛みがあってお医者さんに診てもらっても、

「歳ですからね。」とか「1週間経っても痛かったらまた来てください。」と言われ湿布と痛み止めを処方されるような状態です。

痛みの感じ方

まずお伝えしたいことは、痛みの感じ方は人によって大きく異なります。

その背景には「閾値(いきち)」と呼ばれる感覚の分岐点があり、

これは一定の刺激を超えたときに痛みとして認識される境界を意味します。

閾値が低い人はわずかな刺激でも痛みを感じやすく、

逆に閾値が高い人は強い刺激を受けても痛みを感じにくい傾向があります。

これはお医者さんの他、医療従事者も発信していることです。

とは言っても痛みを抱えている方の中には、中々理解されないケースが度々あります。

また、この閾値は生まれつきの要素だけでなく、日常生活の中で常に変動します。

身体的な疲労や睡眠不足、精神的ストレス、過去の痛みの記憶などが複雑に絡み合って、

痛みの感じ方は日々変化します。

痛みは皮膚や筋肉、関節などで受け取った刺激が末梢神経を通って脊髄に入り、

そこから脳へと伝わります。

脳に届いた痛み情報は、複数の領域で処理されます。

特に重要なのが島皮質(とうひしつ)、前帯状皮質(ぜんたいじょうひしつ)、そして扁桃体(へんとうたい)です。

島皮質(とうひしつ)

島皮質は脳の深い部分に位置し、

「体の内部感覚(内受容感覚)」を統合する役割があります。

自律神経とも関係があります。

温度、圧迫感、痛み、内臓の不快感などの情報を集約し、

それがどれほど強いか、

どれほど嫌な感覚かを評価します。

島皮質が過敏になると、本来なら軽い刺激でも強い痛みとして感じてしまうことがあります。

また、慢性痛では島皮質の活動が長期的に高まり、痛みが続く悪循環の一因になります。

前帯状皮質

前帯状皮質は脳の前方の帯状の構造で、

痛みに伴う「つらさ」「嫌悪感」「注意の向け方」をコントロールします。

痛みを単なる感覚としてではなく、

「嫌な体験」として意識させる部分です。

ストレスや不安が高いと前帯状皮質の活動が増し、

痛みをより強く感じやすくなります。

逆に、運動やポジティブな感情体験によって

前帯状皮質の活動をコントロールすることで、

痛みの感受性が下がることも分かっています。

扁桃体

扁桃体は感情処理の中枢で、

特に恐怖や不安と強く関わります。

痛みの経験と感情を結びつけ、

「これは危険だ」「避けなければ」という学習を促します。

この働きは本来、ケガや危険を回避するために重要ですが、

過剰に働くと「動くとまた痛むかもしれない」という恐怖を強め、

活動量を減らし、結果として筋力低下や血流悪化を招き、

さらに痛みが慢性化する悪循環につながります。

このように、島皮質は痛みの強さと不快感を評価し、

前帯状皮質はその感覚を感情的な「つらさ」に変換し、

扁桃体はそれを恐怖や不安の記憶として定着させます。

ストレスや感情状態がこれらの領域に影響を与えることで、

同じ刺激でも痛みの感じ方は大きく変わります。

例えば、スポーツの試合中や集中して作業しているときは、

これらの部位の活動が抑制され、

痛みを感じにくくなりますが、

落ち込んでいるときや不安が強いときは

逆に感受性が高まり、痛みを強く感じやすくなります。

痛みの測定

上記の内容から他人が感じている痛みを正確に測ることはできません。

「痛い」という言葉の背景には、

単なる刺激強度だけでなく、そのときの感情、状況、記憶が複雑に絡み合っています。

だからこそ、私はトレーナーとして

痛みの部位や発生状況、

痛みの質(ズキズキ・ピリピリなど)、

日常生活への影響度、精神的負担の度合いなどを丁寧に聞き取ることが欠かせません。

感情移入しすぎても軽視しすぎてもいけず、

事実を冷静に捉えながらも相手が安心できる寄り添い方を意識しております。

それでも、ネガティブな受け取られ方をされることもあります。

改善するには?

改善への第一歩は「自己責任」という意識です。

痛みは本人の体で起きている現象であり、

完全に他人任せにしてしまうと改善は遅れます。

トレーナーは「治してくれる人」ではなく「パートナー」であり、

自分でも改善に向けた行動を取る姿勢が必要です。

もしも、家庭や会社や友人関係で強いストレスや大きな悩みがあるときは、

まずそちらを優先的に解決しないと痛み改善のエネルギーが湧かないこともあります。

その場合は、薬や注射で一時的に痛みを抑えながら、

環境や心の状態を整えることも有効なのではないでしょうか。

運動について

痛みの改善において、運動は強力なサポートになります。

運動によって脳内ではセロトニンやドーパミンが分泌され、気分が安定し快感が生まれます。

また、内因性オピオイド(エンドルフィン)が放出され、

天然の鎮痛効果が発揮されます。

前頭前野の活動が高まることで、島皮質や前帯状皮質の過剰な活動を抑え、

扁桃体の不安反応を鎮める作用もあります。

この結果、運動は直接的に痛みを消すわけではないものの、

脳の「痛み回路」に働きかけて痛みの感じ方を変えるのです。

今日からできる取り組み

実践的な取り組みとしては、まず「痛みの記録」をつけることから始めると良いでしょう。

どのような状況で痛みが出やすいのか、どんな動作や姿勢で強まるのか、

またその日の気分や体調との関係も簡単に書き留めておくと、自分の傾向が少しずつ見えてきます。

記録は大げさなものでなくても構いません。

スマートフォンのメモ機能や手帳に「朝は腰が重かった」「仕事中に肩が張った」など、

一言残すだけでも十分役立ちます。

次に、日常に取り入れやすい「ストレスケア」です。

深呼吸を数回意識して行う、軽いストレッチで体をゆるめる、数分だけ目を閉じて休むなど、

小さな工夫が神経の緊張をほぐし、痛みの感じ方をやわらげる助けになります。

毎日続けることで、自律神経のバランスも整いやすくなります。

さらに、可能な範囲で「体を動かす習慣」を持つことも大切です。

ウォーキングや軽い筋トレ、ヨガなど、自分が気持ちよく続けられる運動でかまいません。

無理に負荷をかける必要はなく、「心地よい」と感じられる程度で十分です。

体を動かすことは、筋肉や関節の機能を保つだけでなく、

脳内にセロトニンやエンドルフィンといった“気分を良くする物質”を分泌させ、

痛みを和らげる効果も期待できます。

最後に

必要に応じて医療機関や専門家に相談することも忘れてはいけません。

自分ひとりで抱え込まず、客観的な視点からアドバイスをもらうことで、

安心感や改善のきっかけにつながります。

痛みは単なる身体の現象ではなく、脳と心の協働によって形づくられる「体験」です。

そのため、体だけでなく心の状態にも目を向けることが重要です。

自分の体のサインに気づき、それを上手に整えていくことができれば、

痛みの質も、そして日々の生活の質も少しずつ変わっていきます。

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