原始反射が残っている子どもの特徴
(特に学習や運動、集団生活の場面で現れやすい)
運動・姿勢
バランスを取るのが苦手(片足立ちや平均台が不安定) 姿勢をまっすぐ保つのが難しい(猫背・反り腰) ボール投げや縄跳び、マット運動など協調運動が苦手 筋肉が常に緊張気味で、ぎこちない動作になりやすい 机にじっと座っていることが難しい
感覚・知覚
音や光に敏感すぎる/逆に気づきにくい 車酔い・ブランコ酔いをしやすい 視線をスムーズに動かせず、板書を写すのに時間がかかる 細かい作業(はさみ・折り紙・ボタンかけ)が苦手
学習・行動
集中力が続かない、すぐ気が散る 読み書きが苦手(行を飛ばす、鏡文字など) 左右の区別があいまい 集団行動で遅れることが多い すぐ驚いて泣いたり怒ったりする
情緒
不安感や怖がりが強い 癇癪や衝動的な行動が多い 自己肯定感が低くなりやすい
原始反射が残っている大人の特徴
(子どもの頃から残っていたものが「クセ」となり、日常や仕事に影響)
身体・運動
長時間座ると腰や肩がこりやすい バランス感覚が弱く、スポーツやヨガで不安定 自律神経が乱れやすく、疲れやすい 緊張しやすく、身体が固まりやすい
感覚・知覚
人混みや強い光・音に敏感でストレスを感じやすい 空間認識が弱く、車の駐車や地図の理解が苦手 視線を素早く動かす作業(プレゼンで人を見る、運転など)が苦手
認知・仕事
集中力が続かない、頭がぼーっとすることがある マルチタスクや切り替えが苦手 テストや本番で過度に緊張する 記憶力が不安定で、人の顔や名前を忘れやすい
情緒・人間関係
驚きやすく、些細なことに動揺する 不安感が強く、新しいことに挑戦しにくい 衝動的に感情を出してしまう 自分に自信が持ちにくく、自己肯定感が低い
なぜ原始反射が残ると影響が出るのか?
1. 原始反射とは?
原始反射は、赤ちゃんが生まれながらに持っている 無意識的な自動反応 です。
たとえば:
モロー反射:大きな音に驚いて手足を大きく広げる ATNR(非対称性緊張性頸反射):顔を向けた方向に手足が伸びる TLR(緊張性迷路反射):頭を上下に動かすと、全身が反る/丸まる
これらは本来、赤ちゃんが成長して 大脳皮質(前頭葉・運動野)や小脳が発達 することで統合され、消えていきます。
つまり「反射 → 意識的な運動」へとコントロールが移行するのが正常な発達です。
2. 脳の統合がうまくいかないとどうなるか?
原始反射が残るのは、脳幹レベルの反射回路が強く働き続け、大脳皮質による抑制や統合が不十分な状態です。
影響のメカニズム
脳幹(延髄・橋・中脳) 自律神経や原始反射を司る。ここが優位になると「無意識的な反応」が強くなる。 大脳皮質(特に前頭前野・運動野) 意識的な運動、集中、感情コントロールを担う。未熟だと「抑制力」が弱い。 小脳 バランスや協調運動の調整役。反射が残ると小脳の精密な制御が乱れる。
つまり、「自動で動いてしまう回路」>「意識的にコントロールする回路」 となり、動作・姿勢・感情のバランスが崩れるのです。
3. 子どもに見られる影響
モロー反射が残る → 音や刺激に過敏で、すぐビクッとして集中できない ATNRが残る → 頭を横に向けると腕が勝手に伸び、字を書く姿勢が崩れる TLRが残る → 座って学習すると体が丸まりやすい/反り返りやすい STNRが残る → ハイハイから立ち姿勢への移行がスムーズでなく、机での姿勢維持が苦手
👉 これらは「授業に集中できない」「運動が苦手」「不安が強い」といった形で表れます。
4. 大人に見られる影響
子どもの頃に統合されなかった反射は、大人になると次のように現れます:
脳幹優位 → 自律神経が不安定 → 疲れやすい、ストレス過敏、緊張しやすい 感覚処理のアンバランス → 光・音・人混みで過敏/運転や地図が苦手 小脳・大脳皮質への負担 → 姿勢が崩れ、慢性的な肩こり・腰痛につながる 前頭前野の制御不足 → 衝動的な感情表出、不安感、自己肯定感の低下
👉 つまり「子どものときの不器用さ・落ち着きのなさ」が、大人では「疲れやすさ・不安定さ・慢性的な不調」として形を変えて残るのです。
5. 改善のカギ
感覚統合トレーニング(目・耳・前庭・体性感覚を組み合わせた運動) 反射統合エクササイズ(反射を意識的に抑制する動き) 神経系アプローチ(例:ファンクショナルブレインセラピー) → 脳幹・小脳・大脳をつなぐネットワークを再教育する
これらにより「原始反射を抑制する大脳皮質の働き」が高まり、日常動作や感情コントロールが安定していきます。
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